洋でも和でもない、美味しい秋スイーツの考案は春先からスタート。
秋を代表するカップスイーツを目指し、企画会議で出たのがモンブランでした。
だけど、普通のモンブランじゃ物足りない…。
そこで、職人と考え付いたのが、日本酒を使うこと。
栗ならではの甘みと、こっくりとした深い味わい。それらを引き立たせる日本酒は、
キレの良さと深く重みのある味わいを兼ね備えていなくては!
そんな日本酒を求めて出会ったのが、滋賀県木之本にある銘酒「七本鎗」でした。
470余年の歴史ある酒蔵で造られる日本酒のこだわりと味わいに、
職人たちは感化され、やっと生まれたのが日本酒モンブランです。
和菓子も日本酒も、日本人が古来より守り続けた文化そのもの。
私たちの職人が道具を大切にするように、七本鎗の職人たちも、
ひとつひとつの道具を大切にされていました。
小さな積み重ねが生み出す、奥深く芯のある味わい。
原材料の良さを最大限に生かす手間ひまを決して惜しまない姿勢。
和菓子と日本酒は異なるものであっても、
そこにいる職人の想いと姿勢には通じるものがあります。
違うフィールドで、真摯に向き合う職人が、
ひとつのカップスイーツのなかで、共鳴し合う。
そんなスイーツが生まれました。
今回使用させていただいた日本酒は「七本鎗 渡船77%」
フランスの日本酒コンクールで審査員賞を受賞したお酒です。
「渡船」とは酒米の名前で、かつては「幻の酒米」と呼ばれていたものを、
復刻したもので、個性ある味わいが日本酒ファンの心を掴んでいます。
きなこソースの香ばしさ、なめらかな牛乳羹、そして七本鎗のお酒でつくったスポンジ生地。
大納言小豆、上生菓子で使用する栗あんをたっぷりのせて大きな栗をトッピング。
栗の織り成す豊かな甘みに、七本鎗の日本酒が力強く響きます。
これぞまさに、大人のためのモンブラン。
和の美味しさを最大限に奏でるとっておきの秋スイーツが完成しました。
過ごしやすくなる秋のひとときに、お愉しみくださいませ。